会員各位
会長 若山育郎
日本最古の医学書である『医心方」は、現在、東京国立博物館と京都仁和寺に所蔵されています。
今回、仁和寺で10月1日から11月30日まで「仁和寺霊宝館 秋期名宝展 国宝医心方の世界〜仁和寺の祈りと学び」と謳って展示されるという情報を本会の前理事・九州支部長であり、仁和寺宗会議員を務めておられる坂本樹弘先生から寄せられました。
めったにない機会ですので、皆様には是非とも足をお運びいただければ幸いです。
詳細は坂本樹弘先生の案内文と仁和寺のポスターをご覧ください。
仁和寺霊宝館 秋季名宝展
国宝 医心方の世界 〜仁和寺の祈りと学び〜
お知らせ
公益社団法人 全日本鍼灸学会 会員各位
拝啓 ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
今般 仁和寺霊宝館におきまして秋の名宝展として 『国宝医心方』の展示を企画していただくことになりました。
みなさまご存知のように『医心方』(全30巻)は984年(永観2年)清少納言、紫式部とほぼ同年代の頃、当時の鍼博士丹波康頼が編纂し朝廷に献上した日本最古の医学全集であります。仁和寺所蔵の「仁和寺本」と東京国立博物館所蔵の「半井本なからいぼん」が現存しています。いずれも写本ですが仁和寺本は書き込みが少なく貴重であるため、国宝に指定されました。当時、円融天皇に献上されたものが、丹波家には控えの本が伝わり、仁和寺本はその本から書写されたものと思われます。医療、本草、養生など30部門のうち5冊しか現存していませんが、現在では失われた多くの中国の医学書を『医心方』から復元できることから、東洋医学史の上でも文献学上でも非常に重要視されています。
中国最古の医学書「黄帝内経」、朝鮮王朝時代ホジュンが編纂した「東医宝鑑」はすでに世界記憶遺産として登録されていますが、それらに匹敵する書籍でありながら『医心方』は未だ登録されていません。コロナ禍により中断していた国宝『医心方』の「ユネスコ世界の記憶」登録も全日本鍼灸学会を中心に再度積極的に活動する機運が高まってきました。
今回の仁和寺霊宝館秋季名宝展では10月1日から11月30日まで約2か月にわたり公開されます。我々日本伝統医学を学ぶ者、また、現代医学を学ぶ者にとっても十年に一度あるかないかという稀有な展示会です。併せて「黄帝内経太素・明堂」「新修本草」も多数展示されるとのことです。
この貴重な機会にぜひご観覧いただきたく、ご案内する次第です。
敬具
令和7年9月8日
総本山仁和寺 真言宗御室派 宗会議員
公益社団法人 全日本鍼灸学会 前理事 前九州支部長 坂 本 樹 弘